梅雨らしい天気が続いている。そんな中、雷害のAV機器や太陽光周りの修理が少しずつ進んでいる。太陽光系は予想以上に被害が大きく、パワコン自体を交換せざるを得なくなった。雷さん、怖し!
さて一方で、手の届く修理を進行中。ONKYO A-810のパワーアンプ部は音出し可能なレベルまで復旧していたが、イコライザーが手つかずの状態だった。症状は、DC漏れでプロテクトが動作する、また盛大なノイズが乗る状況。よくよく観察するとRチャネルが問題っぽい。また、Phone 1と2の切り替えスイッチも接触不良で不安定。そんな状況だった。
まずPhono 1と2の接触不良は、アンプ背面のPhono端子基板にあるスイッチを取り外し、いつものようにアルコール、接点ブライトを使って丁寧に分解クリーニング。ここは単純作業だから、何も考えず無心にこなす。考えてたら続かない。。。^^;
DSC_2307(スイッチの接点はひたすら無心に磨く)
問題は、DC漏れ。回路図が無いので、想像を膨らませて原因を探るしかない。もちろん、測定器はフル稼働だが。一つのヒントはDC漏れという事実。増幅部ではないかもしれない。そこで気になったのがイコライザー基板の左右チャネルに一つずつ使われているオペアンプ。JRC(日本無線)のNJM4558DXである。パターンを見ると2回路のうち片方だけ使われている。で、その出力を確認すると信号は乗っておらず、DCレベルが出力されているだけ。そこでピーンと来たのだが、これはサーボ回路だろうと。左右を比較すると、Rチャネルのオペアンプ出力(1番ピン)はかなり不安定で高い電圧が出ている。これはおかしいぞと。第一、ICのピンも真っ黒で、いかにも壊れていそうな雰囲気だ。
DSC_2310(取り外したNJM4558DX。脚は真っ黒!)
しからばとオペアンプを交換しようと思ったのだが、電源電圧が±21Vくらいと異常に高い。これが仕様のようだが、今時のオペアンプで±21Vに耐えられるものは少ない。ほとんどは±18V以下で、もちろん手持ちもそれ以下の仕様だ。ネットで探すと、確かに電源仕様を満足するオペアンプは存在するし買えそうだ。しかし発注しても入荷するまで10日以上の待ちが出ること間違いなし。
DSC_2308(こちらは正常なLチャネルの4558DX)
どうしようか悩んでいたところ、ふと中古部品のケースにオペアンプがあることを思い出した。確認すると、型番がJNM4558DY。最後に一文字がXとYの違い。ネットを検索したが、この違いが何かわかる情報は得られなかった。
このアンプの場合、オペアンプのSNやらスルーレートやらは大きな問題ではないだろう。いちばんは耐圧であるが、"DY"の耐圧は調べがつかない。ここはイチかバチか取り付けてみるしかない。壊れても中古部品。ということで、いざ換装となった。
DSC_2309(こいつはYAMAHAアンプのジャンクから外したもの)
換装後に恐る恐る電源を入れる。火は吹かない。触ってみる。それほど熱も出ていない。何とか耐えている風情。そこで、Phono入力に信号を入れてみる。すると見事、左右の出力がそろった! 原因は間違いなくオペアンプだったようだ。換装したオペアンプが実用に耐えれるか不明だが、もしもの場合の対処もスムーズにできるだろう。
イコライザー出力(左右がそろったイコライザー出力)
DSC_2311(評価中のイコライザー基板)